心房細動症例における脳塞栓症と出血を予防する低侵襲カテーテル治療
- 2024.09.20
日本大学医学部附属板橋病院では経皮的左心耳閉鎖術(WATCHMAN™)を行っています。
心房細動は左心房にある左心耳と言う窪みに血栓を形成し、脳梗塞を発症する可能性があります。
心房細動に由来する脳梗塞はKnockout型脳梗塞と言われ、大きな後遺症を伴い、日常生活に支障を来すことが多いです。そのため、脳塞栓症予防として抗凝固療法が行われます。しかしながら、この抗凝固療法により消化管出血などの出血合併症を生じることが報告されており、塞栓予防と出血予防を天秤にかけて治療を行う患者さんがいました。
経皮的左心耳閉鎖術(WATCHMAN™)は左心耳を閉鎖することで、血栓形成を予防し、重度後遺症を生じる脳塞栓症を予防します。血栓形成を予防するため、抗凝固療法を中止することが可能となり、出血リスクの高い患者さんに恩恵を与えます。
適応:
①抗凝固療法を行う心房細動/心房粗動(Ablation後でも抗凝固療法を行う場合は適応)
②術後45日間抗凝固療法が可能(デバイス血栓予防の為)。
③出血既往もしくはリスク(HAS-BLED3点、複数回の転倒外傷既往、BARC type3出血既往、抗血小板薬2剤以上の併用が1年以上、びまん性脳アミロイド血管症)
適応外:抗凝固療法の中止ができない症例(機械弁留置後、繰り返す深部静脈血栓症など)
詳しくは当科外来にて説明させていただきます。