第72回日本不整脈心電学会学術大会
- 2026.07.31
JHS2026(第72回日本不整脈心電学会学術大会)
2026年7月23日(木)~7月25日(土)
国立京都国際会館(京都府京都市)
本学会は、不整脈診療に携わる医師・看護師・臨床工学技士・臨床検査技師など、多くの医療従事者が集う国内最大級の学術集会です。不整脈の診断から薬物療法、カテーテルアブレーション、植込み型心臓デバイス治療まで幅広いテーマが取り上げられ、最新の研究成果や臨床データが発表されました。国内外の専門家による活発な討論が行われ、不整脈診療の今後を展望する貴重な機会となりました。
今回の学会では、心房細動に対するカテーテルアブレーションの進歩が大きなテーマとなりました。なかでも、近年注目されているパルスフィールドアブレーション(Pulse Field Ablation:PFA)は、熱ではなく電気パルスを利用して異常な心筋を選択的に治療する新しい技術であり、周囲組織への影響を抑えながら高い治療効果が期待されています。保険診療導入後の実臨床データや長期成績、安全性に関する最新の報告が数多く紹介されました。
また、三次元マッピングシステムや心腔内エコー(ICE)を活用した精密なアブレーション治療、刺激伝導系ペーシング(His束ペーシング・左脚領域ペーシング)、リードレスペースメーカーなど、生理的な心臓の収縮を目指した最新のペーシング治療についても活発な議論が行われました。さらに、植込み型除細動器(ICD)や心臓再同期療法(CRT)の適応や遠隔モニタリングを活用したフォローアップについても、多くの最新知見が報告されました。
脳梗塞予防の分野では、心房細動に対する早期リズムコントロールの重要性や、抗凝固療法が困難な患者さんを対象とした左心耳閉鎖術(WATCHMAN治療)の有効性についても最新のエビデンスが紹介されました。また、スマートウォッチや携帯型心電計による不整脈の早期発見や、人工知能(AI)を活用した心電図解析・リスク評価など、デジタル技術を活用した新しい不整脈診療の発展についても多くの発表がありました。
不整脈は、動悸や息切れだけでなく、心不全や脳梗塞、突然死につながることもある疾患です。しかし、適切な診断と治療を早期に行うことで、症状の改善や再発予防、さらには生命予後の改善が期待できます。近年は治療技術の進歩により、患者さんの身体への負担を軽減しながら、より安全で精度の高い治療が可能となっています。
当科からもスタッフ医師および専修医が参加し、最新の知識や治療技術について理解を深めました。学会で得られた知見を日々の診療に活かし、不整脈の早期発見・早期治療はもちろん、脳梗塞や心不全の予防にも積極的に取り組み、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供できるよう努めてまいります。
今後も当科では、最新の医学的知見を積極的に取り入れながら学術活動を継続し、地域の皆さまに安心していただける質の高い循環器医療の提供に努めてまいります。
